2011年1月3日月曜日
サービスのフォームを変えよう(2095)
正面を向いて、腕の力を使ってラケットを振ろうとすると前かがみになって腰が引けたようなフォームになる。
テニスではよく「軸」という言葉が使われる。
とても大切な考え方であるが、「軸」は身体の程良い緊張を「意識的」に作り出すことであり、胴体の動きを過剰に使って腕を振っていて「軸」が作れるはずはない。
それを矯正するために、インパクトで「体を止めるように意識」してラケット振ってみよう。
以前に「姿勢が前かがみになっていたりすると、うまく背中の筋肉を使うことができず、鋭くスイングできない」と書いたが、逆に背中の筋肉を適度に緊張させれば前かがみの姿勢にはなりにくく、腕を鋭く振り抜くことができるということを示している。
「体を止めるように意識」してラケットを振れば、正しい姿勢で鋭く腕を振ることができる。
間違いなくあなたのスイングスピードは上がる。
もちろん、「軸」を作ることにも役立つはずだ。
もうひとつの方法として「ダブルフット」を試してみよう。
これは、サービス動作を行うときに右利きの場合であれば右足を前に動かさないで、両足で地面を蹴るようにしてスイングする方法である。
軸が安定し、トスの乱れも少なくなる。
アンディー・ロディックなどはこの方法を用いてサービスを行っている。
軸を保ちながら強くスイングするのには有効な方法である。
どうもスイングスピードが鈍く、サービスに威力がないと感じるときに試してみると良いかもしれない。
どの方向に振ればもっともラケットが振りやすいのかは、人によって多少違うものの、身体から少し離れていく方向に腕を振るのが振りやすい。
「おばさんサービス」では腕は体の近くに引き寄せるように振ることになるので、この意味からも自然なスイングとは言い難い。
真正面よりも少し横を向く位置で体を止めるように力を発揮し、そこから腕を身体から離す方向に振ろうとすれば、右利きであればやや右方向に振られることになる。
そのスイング動作でボールを打てば、ボースにはややスライス回転がかかるはずだ。
この回転のかかったボールをコントロールすることから練習するほうが自然である。
フラットが自然だというのも、ストローク同様迷信である。かならずスライス回転のサービスから練習していただきたい。
みなさんは「セカンドサービスの方がスイングスピードは速い」というのをご存知だろうか?
このことはスポーツ科学の研究で明らかにされている。
ただしこれはトップ選手の場合である。
初級者、中級者のレベルではセカンドサービスのほうがスイングスピードは遅い場合が多い。
トップ選手のセカンドサービスでは、スライスやスピンを打つことが多い。
ファーストサービスを同じように全力でスイングをするが、フラット系のファーストサービスに比べてラケット面が正面を向かないので、抵抗が少ないことやインパクトの衝撃力が大きくないことなどの理由により、インパクト前後のヘッドスピードは若干速くなる。
それに対して初級者レベルの方のサービスは回転も弱く、打点も低いことが多いので、サービスを入れるためにはスイングスピードを緩めるしか方法がない。
それなのに速いボールを打つ練習ばかりをしているのが目に付く。
スイングスピードを高める、というは大切な練習ではあるが、そのスイングスピードできちんとコートに入れることができなければ実践では役に立たない。
もしあなたが100%セカンドサービスを入れることができ、しかもそのサービスは相手に攻撃されない十分な威力があれば(例えスピードは低くても変化が大きい)、いつでもファーストサービスで勝負にいける。
強くなるためにはこれが「絶対の条件」である。
スムースなスイング動作を行うにはテイクバックの構えが大変大切である。
これを実行するために昔教えられた両手を「バンザイ」するようなテイクバックではうまくいかないことが多い。
特に肩の弱い女性やジュニア選手ではこのようにテイクバックすると上腕がうまく引きあがらず、正しい形に準備することができない。
そんな時、両手を顔の前から引いてくる「フロントバック」という方法を試してほしい。
これは両手を顔の前に持ってきて、そのまま肘を肩の後ろに引くようにテイクバックする方法だ。
このようにすると肩の筋力の弱い女性やジュニア選手でも楽に正しい形にテイクバックすることができる。
サービス力というと200キロを超えるスーパーサービスを思い浮かべるかもしれないが、こうしたサービスが打てれば素晴らしいに違いないが、まずは相手に攻撃されにくく、自信を持って確実に入るサービスを身につけるようにしよう。
また、サービスは試合の勝ち負けを大きく左右する大切な技術であるので、他の技術よりも高い集中力を持って練習に取り組まなければならない。
みなさんに高い集中力が備わっていることを期待したい。
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