Memory Board: 神様はいる(1990)

寮を作るために手頃な価格の一戸建てを探していました。

条件は、クラブまで歩いていける距離にあることと、部屋数ができるだけ多いということです。

費用は、住宅ローンを組んで１千５００万くらいですね。

そういう条件で探していましたが、なかなか見つかりません。

条件に合う土地はあっても、そこに新規に住宅を建てるとなると費用もかかるし、何よりも時間がかかるので選択できません。

実は、比較的条件に近い家もありましたが、そこが売り止めになったりして、容易に事は運びません。

１ヶ月ほど一生懸命探しましたが、うまく条件が合う家がないので諦めかけていました。

そんなある日、土曜日の午前の練習が雨で中止になったので、家でのんびりとしていました。

なかなかのんびりする時間もないので、ちょっと手持ちぶたさで、新聞の折込広告を見ていました。

普段、広告なんて見ることはありません。

他にすることもないので、ジャパネットタカダの広告なんかを興味深く見ていましたね。

そんな時、２色刷のあまり立派ではない広告が目に留まりました。

住所は名古屋市守山区中志段味となっています。

詳しい場所はわかりませんでしたが、徒歩で行ける距離にあることは間違いありません。

間取りは、５部屋あって、条件的にはぴったりです。

でも、表記には４LDKとなっているので気になるところです。

早速、その会社に電話をして、物件を見せて欲しいとお願いしました。

実際に家を見てみると、ちゃんと５DKです。

何故かと聞いてみると、今時はリビングがないと売れないので、表記としてLをつけるのが通例になっているそうです。

確かに普通に生活するにはリビングが必要ですが、寮ではとにかく部屋数が多いことの方が大切です。

そのことが大きな条件なので、この物件はその条件にあっています。

しかも、寮なのでトイレが２ついることや、洗濯の排水槽を２つにして欲しいなどのリフォーム条件ものんでいただきました。

これはもう買うしかないですね。

こんな時期に、こんな条件の家が見つかるのは、「きっと神様がいるんだ」と思わずにはいられません。

カミさんにもすぐに電話して、現地に来てもらい「この家買うから」と告げました。

それはびっくりですね。

その時の「えっまじで！」という顔は今でも鮮明に覚えています。

でも、カミさんは強い人で、「どうしてもいるんでしょ。だったら買えばいいんじゃない。」との返事。

物件を見て、ほんの数分での契約となりました。

「こんなにスムースに、素早く契約が進むことはないですね」と担当の人が言っていました。

私は、それは「神様が決めたから」と言いました。

偶然といえば偶然ですが、不思議なめぐり合わせに一番驚いているは自分です。

不思議なめぐり合わせや幸運はこれだけではありません。

きっと神様はいて、守護霊に守られている、そう思っています。

その幸運が、私だけではなく、多くの人にもたらされていけばいなあと思います。

何よりも、この寮で生活して、テニスを頑張る子どもたちが、ここでテニスをやって良かった、ラッキーだったと言えるようにしていこうと思います。

神様、これからもよろしくお願いします。