2010年1月25日月曜日

場を作る力(1881)



強いチームを指導していていつも思うことは、「良い雰囲気を持ったチームは強い」、ということである。

傑出した選手がいなくても、チームとしての「雰囲気」を高めることで、そのチームとしての力を最大限に引き出し、強くなれることを教えてくれる。

山下富美代(「集中力」講談社現代新書)は、
「意欲を中断することなく集中力を持続させる状況づくりが大切である。」と言い、

斎藤孝(「「できる」ひとはどこがちがうのか」ちくま新書)は、
「私たちの身体は、場の雰囲気の影響を受けやすい。」
と言っている。

また、長田一臣(「勝者の条件」春秋社)は、
「心が大事というのはいいけれど、すべてを揺さぶるものは「場」です。「場」が全部を揺さぶるわけです。」
と述べている。

これらは、場の雰囲気や状況が、メンタルだけにとどまらず、人間の能力にとても大きな影響を与えることを示している。

できるだけ自分の集中力や意識が高まるような状況を作り出すことが大切なのである。

もしできるのであれば、そういう雰囲気を作り出すことができる選手と練習やトレーニングをすることだ。

その選手がコートで練習を始めると、まわりの雰囲気がガラッと変わって、高い緊張感に包まれるような選手がいる。

そのような選手と練習していると、知らず知らずのうちにその雰囲気に融合し、自分でも信じられないくらいの集中力を発揮することもある。

逆に、まわりの雰囲気を乱し、他の選手の集中力を阻害してしまうような選手も多い。

そうした選手がトップで練習しているクラブは、他の選手にとって心地よく集中できる雰囲気を作り出すことは大変にむつかしい。

トップになる選手は、高い実績を誇っているので、クラブとして手放したくないという事情もあるだろうが、本当に強いクラブを作りたいのなら、こうした選手には出て行ってもらう方が良いだろう。

それくらいの決断ができないようでは、他の強くなる資質を持った子の才能を伸ばすことはできはしない。


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