2010年3月23日火曜日
逆転負けをしないための心得(1938)
合宿が終了しました。
今回の合宿は、初夏の陽気だったり、小雨と黄砂の混じった寒い日だったり、強風だったりと天候が大きく変わる中での合宿となりました。
中には体調を少し悪くした選手もいましたが、そういうコンディションでも試合は行われるので、いい訓練になったと前向きに捉える方がいいですね。
合宿のテーマは「実戦」です。
今週には大きな大会が続くので、その中で自分の力を発揮できるように訓練するということです。
何も特別な練習をするということではありません。
常に「相手と戦う」ということを意識して練習するということです。
簡単なことではありませんが、だからこそ訓練しなければなりません。
ゲームイメージをしっかりと持つことと、ミスをした時のリアクションをコントロールすることである程度は実戦的な感覚を持って練習をすることができます。
でも、練習を見ている限り、それを忍耐強く続けることはやはり難しいようです。
その忍耐力、継続性の低い選手は、ぎりぎりの勝負で力を発揮できなかったり、あと一歩のところまで追い込んでおきながら逆転負けを喫することが多くなります。
今回の合宿2日目のミーティングでは、この「逆転負けをしないための心得」について話をしました。
ひとつは、「ターニングポイント」を意識するということです。
3-0、4-1などのスコアから逆転されることが多いことが分かっています。
それは、「もう少しで勝てる」という意識が強く働くからです。
試合は大きなストレスです。
だから、早くそこから抜け出したいという気持ちの焦りや勝利するという欲を早く満たしたいという欲求が大きくなるからです。
でも、実際には試合は終わっていません。
そこで簡単なミスなどがあると、焦りや不安が大きくなって悔しい逆転負けということになります。
そういうゲームスコアには、大きな落とし穴があると認識してください。
ふたつめは、「ターニングポイント」で自分のすべきことに集中するということです。
深呼吸する、間を取る、足を動かす、気合を入れる、声を出すなど、自分が集中できる状態を作り出すことをいつも以上にしっかりとやるということです。
「ターニングポイント」では、焦りや不安、欲が大きくからまって自分のすべきことを忘れてしまいます。
そうすると、自分の「ルーティン(段取り)」を忘れて、動きが早くなったり、必要以上にリアクションしたりして自分のペースを乱していきます。
イチロー選手が、バッターボックスでの「ルーティン」を変えないのは、自分の状態を乱さないための工夫です。
それを見習うべきです。
そして、うまく「チェンジコート」を利用することです。
今の時代のジュニア選手は、ほとんどの試合が1セットマッチです。
3セットマッチであれば、6-0、0-6、6-0なんていうスコアがありますが(私も一度だけ経験があります)、1セットマッチでは、6-0でおしまいです。
セット間で大きく流れが変わるのは、気持ちが「リセット」できるからです。
よく「今までのことは忘れて」と言いますが、それができるということですね。
でも、1セットマッチでは、その「リセット」がむつかしいのです。
短期勝負ですから、すぐそこに勝ち負けが見えます。
だから気持ちをコントロールすることがむつかしくなります。
そんな時には、「チェンジコート」で「リセット」することを試みることです。
タオルを頭からかぶって集中したり、作戦を考えたり、氷で頭を冷やして冷静になるように心がけたり、足を小刻みに動かして気持ちを高めたり、「リセット」して戦いに臨むための工夫はいくつかやれることがあります。
そんな工夫をして、気持ちをコントロールすることができれば、逆転負けの悔しさを味わうことは少なくなりますね。
大きな大会になれば、どうしてもそれを手に入れたいという欲望は大きくなります。
でも、それを手に入れるためには、自分のすべきことをやりきることです。
この春の大会で、大きな喜びに満たされることを願っています。
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