2011年2月9日水曜日
力を抜く(2122)
「もっと力を抜いて!」
テニスのレッスンに限らず、多くのスポーツ指導場面で聞かされる言葉です。
私も何回も、何十回も、何千回何万回も使いました。
でも、うまくいきません。
それは、テニスに慣れていない初級者は、ボールのスピード、回転、コースなどに対応して自分のショットや動きを選択することができないからです。
相手がボールを打ってから、自分が打つまでの間にたくさんの選択肢があります。
それがありすぎて選択できないのです。
人間は、たくさんの選択肢がありすぎると、結局何も選べなくなる傾向があることが分かっています。
ある製品を20個並べて売った場合と、6個だけ並べて売った場合では、6個のほうが売れ行きが良かったそうです。
選択肢が多く、迷った挙句、買わないという選択をしたということです。
力が抜けないという原因が、これとよく似たことによります。
上級者は、そうした反応が自動化され、自分の中でそのほとんどが無意識的に選択されるので、自分が意識的に選択する数が少ないのです。
だから迷いも少なく、頭がパニックになることもなく、筋肉の緊張も少なく、結果「力を抜いて打つ」ことができるのです。
ということは、多くの選択肢を自動化できる訓練が大切になります。
そのために良い練習は「素振り」になります。
「素振り」はイメージ通りにスイングでできます。
ボールを打つための情報が少ないので、うまく選択できると言ってもいいでしょう。
さらにビデオで自分のスイングを見ることは効果的です。
自分のスイングを強くイメージできるからです。
それを何度も頭の中で繰り返すことで、だんだんとスイングが自動化されてきます。
ある程度スイングが自動化されれば、余分な力は入りにくく、力を抜いて打つことができるようになります。
私が最近ビデオを撮ることに熱心なのは、こうした理由からです。
まずはしっかりと自分のフォームを確認しましょう。
そして、しっかりとイメージし、何度もスイングしてみましょう。
キーワードは、
「もっと楽に」
です。
あなたのテニスが変わるかもしれませんよ。
頑張って続けてくださいね。
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