ブルネイ遠征9日目
まずは今回の地震で被災した方々に心からお見舞い申し上げます。
こちらでも連日特番で報道がされています。
仙台に住む私の親友にはまだ連絡が取れません。
海沿いの住まいではないので大丈夫だとは思いますが、心配です。
阪神淡路大震災の時もアメリカにいました。
まったく連絡が取れず大きな不安に襲われたことを思い出します。
早く復旧が進んでくれることを願います。
今日は午前中にプロワンの加藤コーチのチームと練習マッチを組んでもらい、試合中心の練習を行いました。
しかし、2時間以上もハードコートで練習したにもかかわらず、クールダウンもしないで涼しい部屋に駆け込んだことに対して激しく注意をしました。
こうした行動をとってしまうのは、意識が低いからです。
すべては「そこ」にあるということです。
ミーティングでは、
・意識を高めて自立した行動ができるようにすること
・テニスに深い興味と関心を持つこと
・我慢して続けることの大切さを知ること
を伝えました。
まだ、意識が低く、覚悟かないので我慢できず、変われないというマイナスの連鎖があることを感じます。
それをどこかで断ち切る必要があります。
自立することです。
自分のことは、自分ひとりでやり切る覚悟を持つことです。
それが一人前になるということです。
ある本にこう書いてありますが、まさにこのことを言いたいのです。
海外遠征に出ることは、その意識を高めるチャンスになります。
これを活かさなければもったいないと思うのです。
子どもたちの意識が少しでも変わればいいと思います。
ジュニアの指導は大変むつかしいことです。
アプローチの仕方は様々ありますし、基本的な資質にも欠けています。
アダルトのプレーヤー、特にプロテニスプレーヤーは基本的な資質を身につけています。
そういうプレーヤーを指導する場合は、戦術などの客観的な情報をきちんと伝えなくてはなりません。
トレーニングに関しても、自分の感覚を執拗に伝えてくるので、しっかりと対応し、納得するまで説明しなくてはなりません。
でも、ジュニアの選手には、何が必要で、どうすれば良いのかを知ろうとする意欲をまず高めなくてはなりません。
「自分で考えて行動する力」を身につけなくてはならないということです。
指導者は、「自分がどう行動するのか」という「気づき」を与えなくてはならないということです。
そのためには、「教えない」という指導が必要なときがあります。
何も頼るものがないという状況で「考えて行動する力」、それが次のステップにつながっていきます。
何だか頼りないコーチの方が選手が伸びると言っているようで、ちょっと変な感じですが、実際にはそういう事があるもの事実です。
コーチは、他者の評価に惑わされることなく、
「あのコーチはいいコーチだね」
と言われるよりも、
「あのコーチのところからはたくさんいい選手が出てくるね」
と言われるような指導をしていかなくてはならないのかもしれません。
何がいいのかをはっきりと断定できるものではありませんが、
「コーチングとは選手の能力を伸ばすこと」
ということを忘れないで指導していくつもりです。
今回の遠征を終えて明日帰国します。
子どもたちの力不足もそうですが、自分の指導力もまだまだ足りません。
そうした自覚を高めてくれることが遠征のもっとも価値のあることです。
この経験を多くの子どもたちの力を高めるために活かしていこうと思います。
遠征をサポートしていただいたグローブライド株式会社様には心から感謝いたします。
遠征に快く送り出していただいたご両親に対して心から御礼申し上げます。
子どもたちはきっと成長していきます。
これからもあたたかい目で見守ってほしいと思います。
ありがとうございました。
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