2011年4月12日火曜日

まっすぐに進む(2165)


震災から1ヶ月が立ち、徐々に復興の確かな歩みが始まっていると感じます。

私も、この4月からもう一度原点に戻ってテニスを教えていこうと思っているので、復興に向けて力強く進んでいる姿を見ると、「やらねば!」の気持ちになります。

そんな思いを持って振り返るとき、思い出すことがあります。

それは、「プロフェッショナル」という番組で紹介されたあるリンゴ農家の方の話です。

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今まで何度もこの番組を見てきたが、これまでの出演者と違って朴訥とした人の良いおじいさんといった感じの方だったので、

「一体この人のどこがプロフェッショナルなんだろう?」

と興味がわいた。

この方は今までの常識を覆す農法でりんごを栽培する農家の方だった。

それまで行われていた農薬散布に頼る農法をやめ、農薬も肥料も一切使わない農法を行うことを決断し、それを見事にやり遂げた。

途中死のうと思ったぐらいつらいこともあったらしいが、その時に自然に育っている草木の強さに感嘆し、その環境を実現することで成功に導いたらしい。

もちろん手間隙はかかる。

でもその手間隙をかけてやることで、

「りんごが喜ぶ」

と言っている。

そして、

「私が栽培しているのではなく、育つのを手助けしているんです。だから私の職業はりんご栽培農家ではなく、りんご手助け業です。」

と言い切る姿に本当のプロの姿を見ることができた。

「良いりんごを育てるのはむつかしいことではない。何もしないで愛情を込めて育てればりんごは育ちます。」

という言葉が真理だと感じる。

この「何もしない」でというのは、自然のあるがままにあるようにするということであって、それを人工的に実現するのは大変な忍耐と努力があったことは容易に想像できる。

テニスの指導でも同じだと感じていた。

コーチの仕事は、練習できるコートを確保し、時間を調整し、チャレンジできる環境を作るなどのサポートする仕事が最も大切である。

練習ではその子の持っている力を引き出すことができるように、できるだけ「何もしないで」じっと愛情を持って見守ることができなくてはならないと思う。

本物のプロになることはむつかしい。

でも「愛情を持って」育てることができれば、きっと

「そんなことは簡単ですよ。愛情を持って育てればよいのです。」

と言い切れる日が来るだろう。

そういう日が来るように毎日の手間隙を惜しまないように生きていたいと思う。

話の続きであるが、その方の作ったりんごは腐らないんだそうだ。

実際に2年前のりんごをスタジオで披露していたが、確かに色や形は変わっているが、においなどは香ばしさを感じるなど問題ないらしい。

こういうりんごを「芯が強い」と表現するのかもしれない。

いわゆる生命力にあふれ、どんな環境にも屈しない命の強さを持っている。

テニスに限らず、スポーツの選手でも「芯の強い」選手には、命のエネルギーがほとばしっている強さや威圧感のようなものを感じる。

あるバレーボール選手の逸話であるが、血だらけになりながらでもボールを打ち続ける姿を見たときになんて思うだろうかと想像してみた。

きっと言葉はない。

ただじっとその姿を見続けていると思う。

声を掛ける必要もない。

ただその時間を共有していることに感動するだろうと思う。

そういう選手の思考はまっすぐである。

ただひたすらに強さを求めることだけに全身全霊を傾けている。

揺らぎはない。

だから強い。

腐るはずはないのだ。

いろいろなことに手をかけすぎずに、自然に、まっすぐに育つものは「芯が強い」。

そういう選手が育つ環境作ることもこれまた大変むつかしい課題である。

腐らずまっすぐに進んでいきたい。

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こうブログに書きました。

そのことをふと思い出し、読み返してみました。

慢心や自己中心的な考えを抑え、まっすぐに進んでいきたい・・・そう思っています。

・・・テニス選手手助け業・・・になれるかな。


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