コーチングでもっとも大切な事は「信頼関係」です。
コーチと選手が「信頼関係」で結ばれる、それが能力を引き出すために大切なことです。
しかし、言葉でいうことは簡単ですが、実際にはとても難しいことです。
この前の授業で、
「今までの自分の人生で本当に信頼できる人はいましたか?」
と質問したところ、ほとんどの学生は「いない」と答えました。
「いる」と答えた学生さんも、そのほとんどが親や兄弟だったり、身内であることが多かったです。
それほど「信頼できる人」には出会わないということです。
ということは、「信頼関係を結ぶことが大切だ!」といくら叫んでみても意味はないということです。
実際、他人同士の「信頼関係」は簡単に崩れます。
それは、恋人や夫婦であっても同様です。
ましてスポーツにおけるコーチと選手の関係は、もっと希薄なものだと思います。
どうして人は信頼することが苦手な(できない)のでしょうか。
それは、結局は「自分のことしかわからない」からです。
いくら言葉を尽くそうとも、全力で語りかけようとも、それはちゃんと伝わらないことが多いということです。
自分の感覚や考え方と違うことをいくら言われてもピンとくることはありません。
あまりに違うと、今時の言葉で言えば「うざい」と思ってしまいます。
他人のことを「分からない」から、そういう感情が起きてしまうのですね。
人間は感情が起きると、それをガマンすることができません。
そういう関係を続けていくことはむつかしくなります。
だから、コーチには「受容」という資質が必要になります。
書いて字の如く、「受け容れる」ということです。
そういうこと(信頼関係をうまく結べないこと)が当たり前だと認識することです。
それはただ単に開き直るというのとは違います。
そういう認識を持ちながら、自分のすべきことをやるということです。
でも、「信頼関係」が壊れると動揺します。
動揺すると、「受容」することは難しいですね。
そうならないために、心が揺らがないようにするためには、「自分の信念に従って行動する」ことです。
そこが揺らがなければ、いろいろなことを受容でき、マイナスの感情が起きにくく、その結果、信頼関係は結びやすくなります。
結論は「そこ」になります。
コーチという仕事は、心が揺らぐことが多いものです。
だからこそ、信念を持ってやることが何よりも大切です。


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