2010年7月26日月曜日

「フィニッシュ」で決めろ!(2057)



「フィニッシュ」の形が良いことが素晴らしいスイングに結びつくことが多い。ポイントを解説していこう。

(肘は軽く曲がる)

スイング中に肘を(自分の力で)伸ばすような動きは上級者ではほとんど(というかまったく)見られない。

スイング動作の最中に腕が若干伸びるのは、身体の回転動作でラケットが外側に振られるからだ。

自分の力で(腕の後ろ側の筋肉の力を使って)腕を伸ばすように打っているのではない。

このことは、筋電図といって筋肉がどれくらいの力を発揮しているのかを調べる機械を使って測定した実験結果からもわかっている。

特にインパクト前後では肘は固定するように筋肉は働いていて、決して腕を伸ばすようには力を使っていない。

そして、インパクトの後に力が抜ければ、筋肉はラケットの重さと動きで外側に引っ張られるのを引き戻すように「自然」に力を発揮するので、腕は「自然」に軽く曲がるのである。

腕が「自然」に、楽にフィニッシュで曲げられずにつっぱって(伸び切って)しまうような打ち方になってしまう人は、少しクロスコートに打つ練習をしよう。

ただし、強くスピンをかけてショートクロスに打つのではなく、センターベルトあたりを狙って深いドライブボールを打つように心がけると、楽に腕が曲がって「自然」に「ドライブボール」が打てるようになる。

(肘は少し引きあがる)

腕が「自然」に曲がるためにはある程度上腕が胴体から離れていなくてはならない。

上腕を胴体に強く引き付けて腕を曲げようすると腕は曲げにくい。

上腕を少し胴体から離して(脇を軽くあけて)腕を曲げるとかなり楽に曲がるのが分かるだろう。

この「脇をあける」感覚はとても大切である。

これも神話のひとつだ。

「膝を曲げる」、「脇を締める」、「手首を固定する」という神話が強く信じられてきた。

良く考えると間違いとまではいえないことなのだが、間違って理解してきたことで技術が向上しなかった人も多いだろう。

私はこの「脇をあける」ことがうまくできない人に対して「打ち終わった後に脇のにおいを嗅ぐように」と指導している。

夏場にはちょっと厳しい(?)指導法であるが、上腕を引き上げ、楽に腕が曲がる感覚を掴むには良い方法である。

ただし、脇はただあければ良いというものではない。

胸の前、肩の前の筋肉を軽く締めるように打つことが大切である。

その時、膝の上下動をあまり大きく使わないように心がけたい。

膝の上下動が大きいと身体のバランスをとるために上腕が胴体のほうに強く引き付けられてしまう。

これでは上腕がうまく振り抜けずに肘を「自然」に引き上げるようなスイングができない。

(手首の力が抜ける)

インパクトの衝撃に耐えるために「手首を固定」するほうが良いと教えられてきたが、自分で「意識的」に力を発揮することはあまりよくないことは解説した。

また、「手首を強く固定する」とスムースなスイングを妨げてしまうのである。

手首を強く曲げると身体はどのように動くだろうか。

手首を強く曲げると上腕が胴体に強く引き付けられて脇が強く締まる。

これは、私が「演歌歌手打法」と呼んでいる、あまり好ましくないスイング動作である(実は私はこの打ち方が身についてしまっている)。

上腕を胴体から離してスイングすることが大切だと解説してきた。

それができなくなるのでスイングは当然不自然になりやすい。


このようなポイントに注意してスイング動作を繰り返すことで、皆さんが素振りでやっているような「自然」なスイングができるようになる。

このスイングで打球すれば、ボールは「自然」と順回転の「ドライブボール」になっている。

この打球の感覚を身に付けることで、「会心のショット」が打てることも多くなるだろう。

そして、腕の力を抜いてスイングすることが(感覚的に)できるようになってきたら、少し意識して上腕を大きく振ることを練習してみよう。

鋭いスイングができるようになっているはずだ。

「自然」という言葉が何度も出てきたが、「ナチュラルスイング」、これが「基本」のスイング動作である。

強くなるためには身につけなくてはならない。

実際に打球するときに素振りのようにリラックスしてスイングすることは難しいと思うが、何度も素振りを繰り返し、意識しなくても力の抜けた「自然」で「基本的」なスイングができれば、きっと強くなる!間違いない。


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