2010年1月4日月曜日

正しいコンプレックスを持つ(1861)



一般的なマイナスの感情とは違うが、「コンプレックス(劣等感)」という厄介なものもある。

コンプレックスとは、「自分が、なんらかの点で他人より劣っていると思い込むこと(思い込んだ時の感情の反応)」ということだ。

これは大変に個人的なものであって、他人から見れば、「えっ、なんでこんなことを気にしているの?」というようなことが、気になって気になって仕方がない。

そう思うことは良くない、気にするのはおかしいと思っても、どうしようもなくそういう感情が湧いて出てくるので始末が悪い。

もし、対戦相手に対してコンプレックスを抱えていたとしたら、果たして勝負になるのだろうか。

小浜逸郎(「頭はよくならない」洋泉社)は、
「上には上があることを知ることには、ただ劣等感にさいなまれるだけではなくて、そのこと自体を仲立ちにして、自分の仕事の支えにするという側面もある、と思うようにしています。言い換えると、言葉の正しい意味での「コンプレックス」の状態をそのまま見つめておこうということです。」と述べている。

スポーツの世界は、優劣がはっきりと成績として現れるので、劣等感にさいなまれて、挫折して、もう追い越せない、とあきらめてしまうケースは大変多い。

そのコンプレックスを「自分自身を高めるためのエネルギー」に変えられなかったことの結末である。

「そのまま見つめる」ということは、コンプレックスをエネルギーに変えるためには、まず受け入れなくてはならない、ということだ。

それができないと(自分の考え方の問題であると気付かない)、クラブの環境が悪い、親が悪い、練習相手が悪いなど、まわりに責任を添加してしまうことが往々にして起こりうる。

そのような考え方では、自分の精神状態を安定的に保つことも難しいだろう。

正しくコンプレックスを持つ」ということは、そうである事実を受け入れ、それをエネルギーに変える考え方を持つことに他ならない。

それができなければ、その相手は永遠に超えられないライバルとなっていくに違いない。


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