2010年5月11日火曜日

身体の感覚を磨く(1987)



トレーニングにおいて、もっとも大切なことは、「身体の感覚を磨く」ことだ。

このトレーニングを行う時に、どのような「身体感覚」になっていることが良いのかというと、一言で言うのは難しいが「体が張っている」というような状態で行うことが望ましい。

「体が張る」というのは、多くの方が誤解していると思うのだが、これは、筋肉に力を入れて、筋肉がぎゅっと盛り上がっている、というような状態のことをいうのではない。

もし、そうだとしたら、相撲の世界で、「今日の○○は、体が張ってますねえ。」というとき、その力士は、ぎんぎんに力んでいる、ということになってしまい、それでは、「調子が良いというバロメーター」として表す「体が張る」とはまったく逆に、調子の悪さを表すことになる。

だいたい、「今日は力んでますねえ。」なんていう言葉が、調子の良さを表すなんてことはないでしょ。

では、「体が張る」とはどういう状態なのかというと、まず体が十分に「リラックスしている」ことだ。

「力が抜けている」というのとは違う。

「リラックスしている」というのは、筋肉の活動レベルは、十分に高いレベルにありながら、余分な力が入っていない状態であり、「力が抜ける」とは、活動レベルが低下して、すぐに戦闘体制に入ることができない弛緩しきったような状態のことをいう。

もちろん、これから戦いに行くので十分に気合が入っている、が、体はその内在するエネルギーを大きくしながらも、静かに、十分に「リラックス」し、「ゆるんで」いる状態のことを「体が張っている」と表現する。

もっと分かりやすくいうと、「北斗の拳」のケンシロウの「無想転生」の如く(分からない人は、是非読んで!)、極限の戦闘状態、緊張状態にありながらも、なんとなく涼しげで、静かに、しなやかに身体を動かすことができるような身体の感覚を持つ、ということだ。

トレーニングでは、高い負荷によって大きな緊張状態になるが、呼吸をゆっくり行い、胸の前の筋肉や腕の後ろ側の筋肉をリラックスさせ、背筋と腹筋に力を凝縮させるような感覚をつかみとってほしい。

私が提唱するトレーニングは、こうしたトレーニングを通して、テニスが強くなるための身体感覚、「コツ」を体得するように工夫されている。

ただ単に、筋肉を強めるだけでは、「強くなるための体」は手に入らないので、そこのところはよく理解して訓練してほしい。


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