2010年5月26日水曜日

心拍数(2002)



心拍数を目安にトレーニングを考えるというのはとても大切なことだ。

心拍数は何を教えてくれるのであろうか。

まずは、その選手がどれくらいのレベルで運動を行っているのかが一目瞭然である。

疲労困憊にいたるときの心拍数を知っておけば、どれくらいまで追い込んでよいのか、どこで休息が必要なのかも検討がつくし、選手に対して目標レベルを設定しやすくなるので、モチベーションを引き上げる効果も期待できる。

なによりも「サボることが出来ない!」のがコーチとしては良いと思う(笑)。

その他にも回復度合いを知ることが出来るので、どれくらいのリカバリー能力が備わっているのかがわかる。

それを元に、練習プログラムの強度を設定することも可能である。

このような便利なものを利用しない手はないだろう。

最近では、心拍数の測定器も手ごろな値段で購入できるので、1つ2つ持っていても良いと思う。

ところで、トレーニングをすれば心拍数はどう変化をするのだろうか?

じつは、トレーニングをしても心拍数はあまり変わらない(もちろん、トレーニングを繰り返していけば、心拍数は減少する)。

その代わりに一回の拍動で送り出される血液の量は増えていく。

同じ心拍数で多くの血液を送り出せるようになるのだ。

だから、運動を長く続けることができるし、リカバリーの能力も高くなる。

シドニーオリンピックで金メダルを獲得した女子マラソンの高橋尚子選手は普段の心拍数が約35拍らしい。

一般の人の半分しかない。

単純に考えれば、1回の拍動で2倍の血液を送り出せるようになっているということだ(血液中の酸素の運搬能力も通常では考えられないほど高いらしい)。

かつての世界チャンピオン、ビヨン・ボルグ選手も心拍数が40程度であったとの報告もあるように、テニス選手もマラソン選手並みの心肺持久力が要求されるのかもしれない。

そして、呼吸によって取り入れられた酸素を身体の隅々まで届ける循環機能、その酸素を効率良く使う筋肉の機能の向上が大変重要である。

これらの能力は、「最大酸素摂取量」によってあらわされる。

「最大酸素摂取量」とは、1回の呼吸でどれくらい酸素を取り込むことが出来るのかという能力のことだ。

「最大酸素摂取量」が大きいほどタフな選手ということができる。

この能力は、トレーニングによって各段に向上していく。

そのためには、ただ走るだけではなく、筋肉の機能向上や呼吸法の改善などのトレーニングを合わせて行うことが大切である。

もちろん筋力トレーニングも併せて行うことが重要だ。

がんばってトレーニングをして、テニスに適した身体を手に入れてほしい。


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