2010年5月28日金曜日

試行錯誤の力(2004)



たまに、テニスのコーチなのになぜ野球のトレーニングを教えているのか?とか、なぜ野球部のトレーナーをしているのか?などと質問されることがある。

ん~、なぜ?と聞かれると、ちょっと返答に困るが、理由は3つほどあるように思う。

ひとつめは、成り行きである。

たまたま私のトレーニングの教室に通ってきていた方が倉野監督の奥さんの知り合いで、私のことを紹介していただいた、というのが直接的なきっかけである。

倉野監督が監督に就任したばかりで、強化のためにトレーニングを指導してくれる人を探していたのと、私が各学校宛に「トレーニングの指導しますよ!」みたいな案内状を出していたこと、トレーニングの教室を開講したばかりでいろいろな方法を模索していたことなどが「偶然重なった」、ということだ。

まあ、出会いなんていうのはこんなことが多い。

正直、はじめのうちは野球のことをよく知らなくて、時間さえあればグランドに足を運んでいた。

それでも、あの「泥んこまみれ」、にはなかなか慣れませんでしたね。

子どもたちは、土の上で平気で寝転がったり(土と仲良くなるトレーニングといって、グランドでごろごろするトレーニングもあったそうだ)、どろどろの手で平気で何かをほおばるのに抵抗があった(今も少なからずある)。

また、強風が吹くと、耳の中が真っ黒になり、タオルで耳の中を拭くと泥や砂がこびりつくこともある。

テニスの世界では考えられないことが多かったように思う。

でも、そんなことを続けていくと、何となくペースをつかみ、自分なりのポジションをみつけて、無理をせずに楽しみながらトレーニングを教えることができるようになってきた。

もちろん、そこにたどり着くまでは「試行錯誤」の連続で、野球や野球のトレーニングに関する専門書などを何十冊も買い込んで、毎日のようにメニューを考え、気がつけば450種目ぐらいのトレーニングを指導してきた。

今は、その中から、時期に合わせて適切なトレーニングを選択し、できるだけ楽に効果が上がる方法を自分なりに構築している。

たまにはサッカーなども取り入れる余裕もある。

そして、パーソナルなトレーニングを指導する機会も作ることができるようになってきたことが、比較的怪我の少ないチームを作ることに貢献できているように思う。

また、愛工大名電高野球部は、OBのプロ野球選手などから寄贈されたトレーニング機器が充実していることも強くなった大きな要因である。

しかし、私がトレーニングの指導に来る前は、屋外にさびだらけで放置されていたり、トレーニングルームとして使用する部屋が物置と化していたりして、機能的に使われていたわけではない。

それを監督と相談しながら、徐々にトレーニング室を整備し、トレーニング講習などを行って、トレーニング機器を使って適切にトレーニングを行うことができるように環境を作ってきたことが子どもたちの能力を向上させるために大いに役立った。

そのトレーニングカリキュラムも、まさに「試行錯誤」の連続で、色々なトレーニングを自分自身でも試しながら、無理なく筋力や機能の向上がはかれるように作成していった。

こうした「試行錯誤」は、選手にとって「本当に必要なトレーニング」を作り出していくためには大変重要なことだ。

選手の才能を伸ばすためには、ありきたりのトレーニング論では通用しない。

選手の体格や体力、考え方はもちろん違う。

また、できる限り環境に合わせたメニューを考えなくては、継続的にトレーニングを行うことは難しい。

これからも「試行錯誤」は続きます・・・より良い環境を作るために・・・。


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