2010年2月27日土曜日

自分のフォームを知る(1914)



強くなるための技術を手に入れるためには、少なくとも自分のフォームをきちんと知らなくてはならない。

皆さんは、自分のフォームを撮ったビデオを見たことがあるだろうか。

私は、時々フォームをビデオに撮って見せることがある。

ビデオを見ることによって、実際に自分がどのように打っているのかを確認してもらうためだが、はじめて自分のフォームを見た生徒さんや子どもたちは、誰もが、

「私はこんなフォームで打ってるの?」

と驚きの声を上げる(恥ずかしくて叫ぶ場合もある)。

私もはじめて8mmフィルム(8mmフィルムといってもわかってもらえるかな?)で撮影した自分のフォームを見たときは、

「誰だよ、これ。変な打ち方やなあ、かっこわりい。」

と言って笑っていて、それが自分だと気づいて大変恥ずかしい思いをしたことを覚えている。

ということは、自分で<打っているつもり>と、実際に<打っているフォーム>には大変大きな違いがあるということだ。

ところが、何度かそういう経験をしてくると、ビデオに写ったフォームと自分のフォームに「ずれ」を感じなくなってくる。

だいたいイメージ通りに打つことができるようになってくる、ということだ。

もちろん、イメージ通りといっても、誰もがアガシのフォアハンドそっくりに打てるというのではなく、自分の姿勢やバランスなどを感覚としてきちんと捉え、自分の頭の中で、外からビデオを撮っているように自分自身のフォームをイメージできるということである。

つまり、ここでいう「自分のフォームがわかってくる」というのは、そういうことだ。

じつは、これが大変にむつかしい。

感覚の鈍い人はいくらやってもイメージとのずれが修正できない。

例えば、この感覚の鈍いコーチは、生徒の真似が大変下手である。

「あなたは今、こんな感じで打ってますよ。」

と指摘して、その人のフォームを再現したときに、あまりにそれが似ていないので、爆笑することもある。

感覚の鋭いコーチはそうではない。

例えば私(?)は、生徒さんのフォームを真似るのが非常にうまい。

その時指摘したフォームで打って見せると、その生徒さんは「むっ!」とするが、周りにいる人たちは、よく似ているので大笑いできる。

形態模写の優れている人は、そのイメージを掴むこと、そして、それを身体で表現できる感覚に大変優れているということだ。

この身体感覚に優れている人は、「よし、こんなふうに打ってみよう!」と思って、案外その通りに身体を動かして打つことができるので、色々と試しているうちに、感覚的に「ぴたっ!」と合う打ち方を発見できることも多い。

しかし、残念ながらそうではない人は、そもそも「こんなふうに打ってみよう」と思って打ってみても、それがまったくイメージとは違う打ち方なので、感覚的に「ぴたっ!」とくるようなことは起こりにくい。

ということは、技術を習得したり、高めたりする前に、まず自分の体をきちんとコントロールできるように、そして自分のイメージ通りに身体表現できるように訓練しておかなくてはならないということだ。


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Posted by Picasa

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