2010年5月15日土曜日

成長の場(1991)



神様に感謝して始めた寮ですが、はじめはやはり大変でした。

私のところのスタッフが常駐して管理をしていましたが、いろいろとあって、私が管理することになりました。

プライバシーもあまりないので、若いスタッフが管理をするには大きなストレスでしたね。

女の子相手だけに、なかなか踏み込んで指導もできないので、大きな負担になっていることは理解できました。

私には家庭がありますが、責任は私が負うべきものと胆をくくっての決断となりました。

私が管理をはじめて徹底したのは時間の管理です。

寝坊したり、決められた時間に寝なかったり、食事をしなかったりした時は厳しい態度で指導します。

何よりも大変なのは、生活を管理することです。

ゴミの管理や身の回りの整理整頓、後片付けなども徹底して指導しました。

それでも守られなかった時は、1週間も練習させないで掃除ばかりさせたこともあります。

洗濯物の管理ができていなかった時には、すべての衣類を床に放り投げて、きちんと片付けるまで見ていたこともあります。

「ここは自分の家ではない!」

「借りているものだから大切に扱え!」

「人に頼らず自分で動け!」

「周りに気を配って生活しろ!」

と何度も言い続けました。

自分たちの部屋だと思っていい加減に生活していると感じた時、「ノックもしないで部屋に入る!」と宣言しました。

「もし困るようなことがあれば事前に断わっておきなさい」とも言いました。

挨拶もできていなかったので、これもくどいぐらいに指導しました。

私がいることがわかっていながら挨拶もしないで出かけたときは、「もう一緒に生活することはできない!」と言い放ったこともあります。

テニスに掛ける情熱は人一倍ありますが、それを生活から作り上げていくことが大切だと考えたからです。

私がトレーニングを指導する愛工大名電高校野球部は全寮制です。

そこの階段の渡りには、「生活が野球だ!野球が生活だ!」という標語が掲げてあります。

私もそれを信条としています。

だからこそ厳しく指導します。

今まで親に甘やかされて育ってきた子どもたちには、窮屈で面倒な時間だったと思います。

でも、年月を重ねるに従って、だんだんとたくましく成長していく姿を見てきました。

ほんの子どもだったのに大人の考え方を持ち、自立した行動ができるようになって成長していく、これが寮のあるべき姿だと思います。

生活することからテニスが強くなるための方法を学び、道を見つけて歩いていく・・・子どもたちの「成長の場」、それが寮であると思います。


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2 件のコメント:

  1. ブログの内容と関係ないけど、この土日に静岡のインターハイ予選を見に行きました。久々に高校テニスの雰囲気を味わいたかったのですが、ずいぶん昔とは変わった気がします。

    1.ボールボーイってたくさんやっちゃいけないの?各コート一人二人ぐらいしかいなかったけど。

    2.ボールボーイや選手がボール渡す時「ボールです」とか「ボール行きます」とか言わないの?

    3.審判やるこの声が小さいくて聞こえない。

    4.あんまり声出す選手がいない。特に「よしこい!」とかはまったくなし。

    なんか全体的に冷めた試合に感じたんだけど、最近はそんなものなのかな?

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  2. ん~、そうだね。

    ジュニアのテニスを取り巻く環境は大きく変わりましたね。

    民間クラブの育成環境が大きくなったことで部活動のあり方が変わったことや親との関わりが強くなったことが大きかもしれませんね。

    技術は大きく進歩していますが、相手と戦うためのスピリットはちょっと小さくなったかな。

    大した技術もないくせに、声だけやたら張り上げて気合勝ちなんて試合を見ることは少なくなりました。

    善い悪いを評価することはできませんが、スポーツは戦いであることの意識を高く持ってもらいたいと思います。

    難しいことですが・・・。

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