2011年1月31日月曜日

両手打ちバックを極める(2115)




私がテニスを始めた頃は、多くの選手は片手打ちのバックハンドであった。

なんせ最初に習うのは片手打ちのスライスのロブだ。

今考えると無茶な教え方だとは思うが、当時はそんなものだった。

しかも教える(大いに?)のは素人の先輩だ。

そして、技術レベルの低い片手打ちバックはあまり攻撃的なショットを打てないことから、ひたすら相手のバックを狙うように教えられ、その戦術ひとつで勝ちあがる選手も少なくなかった。

かくいう私もその一人だ。

その当時、両手打ちバックハンドで世界ナンバーワンになったジミー・コナーズもいたが、どちらかというと異端視されていた。

しかし、ビヨン・ボルグがウィンブルドンで5連覇する頃からバックハンドの両手打ちが高く評価され、その後多くの選手が両手打ちのバックハンドを武器に戦うようになったと思う。

ただ、ボルグが全盛期の頃は、多くの素人さんがFILAのウェアに身を包み、DONNEYのラケットに80ポンドでストリングを張って両手打ちバックハンドを打っているのを見るのはちょっと気持ち悪かった。

もちろん、今でもエナンやモーレスモ、フェデラーのような鋭い片手打ちのバックハンドを武器にしている選手はいるが、両手打ちの選手の方が圧倒的に多いことに変わりはない。

そこで、この両手打ちのバックハンドを武器にするための秘伝を伝授していく。

あなたが「強くなるため」に少しでもお役に立てるのなら幸いである。
バックハンドをミスする原因を理解しておくことは、技術向上に大変役に立つ。

ここでは、その原因を探りながらその対処法を示すことで、より効率的な技術の習得・向上を目指していこう。

●両手の使い方のバランスが悪い●

両手打ちバックがうまく打てない原因の中で、もっとも大きな原因は両手の使い方のバランスが悪いことにある。

両手打ちバックはもちろん両手でスイングするので、両手の使い方のタイミングが合わなかったり、左右どちらかの腕の使い方に問題があってスムースにスイングできないとミスにつながる場合が多い。

※右利きの場合について説明しています。

[問題その①]右肘を引いて打つ

本来はインパクトゾーンで打ちたい方向にまっすぐスイングするべきところを、右肘を引いてスイングしてしまうと、

・右方向への小さなスイングになり、ボールは右方向へ飛んでいくことが多くなる

・気持ちよくスイートスポットに当たらず、ラケットの先端で打ってしまうことも多い

右方向へのサイドアウトが多い人は、このようなフォームになっていないかチェックした方が良いだろう。

また、このような打ち方になっている人は、フィニッシュで脇が強く締まって縮こまっているようなスイングになっているので、ラケットを肩の後ろまで大きく引き上げることができない。

[問題その②]右手の動きが止まり、左手がかぶさる

右手の動きを止めて左手でボールを打とうとすると、左手が右手にかぶる形になってしまい、インパクトゾーンでラケット面を正しくコントロールできないばかりか、バランスの良いスイングを妨げる結果になる。

このようなスイングでは、

・ラケット面がかぶってしまうことで、ネットミスをする

・また、打球を右へひっぱってしまい、右方向へサイドアウトする

・ラケットの先端で打ってしまう

という問題が起こることが多い。

[問題その③]左の肘が下がる

両手打ちバックの右手と左手は「ユニット(一体)」として動き、両腕の前腕とラケットで作る三角形はスイング中に大きく変わらないほうが望ましいが、左手の肘が下がってこの形が崩れると、インパクトゾーンでラケット面は不安定になりやすい。

左肘が下がるとラケット面は開いてしまうので、

・ベースラインをオーバーするアウトが多くなる

・左右のブレが大きくなる

両手打ちバックがうまく打てない人は、これらの問題点のうち、ひとつやふたつは当てはまるはずだ。

これらの問題点で共通しているのは、「手を使いすぎる」ということだ。

対策はずばり!「手を使うな」ということである。

テニスはラケットという道具を使って行うスポーツなので、「手を使うな」と言われるとちょっと不思議に感じるかもしれないが、手は自由度が大きいだけに動かすことができる範囲が大きいかわりに筋肉が小さく大きな力を出しにくいので、手を動かしすぎるとちょっとしたことでラケット面が崩れやすい。

インパクトの衝撃力に負けてラケット面をうまく調整できないことも多く、そのために大きくコントロールを乱すことになる。

「テニスは足ニス」と言われるのは、フットワークが大事であるということを示唆するだけではなく、「手を使いすぎてはいけない!」ということを示しているのである。



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Posted by Picasa

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