2009年11月2日月曜日

変化ほど安定したものは無い(1798)



いつも自分が安住していられる場所に居続けることで、「強さ」は確実に失われる。

「変化を求める」こと(積極的に遠征などに出かけることも含まれる)で、自分の「強さを維持」できることを覚えておいてほしい。

「変化」は安定した強さを維持するにはもっとも大切な考え方である。


選手として成長する例ではないが、変化することで強さを維持する例を挙げて話をしよう。

私は仕事柄いろいろなクラブを観てまわることも多い。

強い選手を輩出するクラブにはいろいろな秘訣はあるだろうが、そのひとつに「システムに固執しないこと」が挙げられる。

よく、「このシステムは完璧です。このシステムに沿って取り組めば強い選手になりますよ」と宣伝するクラブがあるが、「あほか!」と思う。

人間を育成するシステムに完璧はない。


完璧があるとしたら、その人間の育成にとって完璧なのであって、他の人にとっては迷惑極まりないシステムかもしれない(星飛雄馬を成功とするならば、星一徹の徹底したスパルタ指導は完璧といってもよいかもしれないが、あなたは好んで養成ギブスを付けられないでしょ?)。

このような考え方に陥るのは、人間を育成するという考え方に立っていないのである。

人間は刻一刻と変化しており、いかにそれに対応すべく智恵を絞るのかが、人間を扱う上での基本である。

ごくあたりまえの考え方なのだが、指導する側からのエゴを推し進めると、ひとつのシステムさえ作れば良いという考え方に固執してしまうのである。

私は「人間を育成する」という考え方に立って指導のカリキュラムを作っている(作ろうと努力している)。

だから、そのときにそのときの状況にあわせて(子どもを指導していると、身体的にも精神的にも大きな成長をするので、その変化は大変に大きい)、どの方法がよいだろうかと智恵を絞って考える。

考えに考えて、「よしこれでいこう!」と納得できるアイディアが浮かべば、それをできるだけ速やかに実行するようにしている。

今までとはまったく違うシステムになることもある。

システムを変更することは大変な労力を必要とするので、正直面倒くさいと思うことも多い(反感をかうことさえある)が、私のクラブが順調に成長してきたのは、「変化」を望んで受け入れたからだと思っている。
そういえば、星一徹も飛雄馬の成長(変化)に合わせて、養成ギブスの強度を上げていたように記憶している。

きっと飛雄馬の筋肉のつき方などをよく観察し、絶妙のタイミングを探っていたのだろう。

養成ギブスをつけながらの食事などが楽にできるようになった頃を見計らって強度が上げられるので、飛雄馬は「ええっ!どうして!」と驚きを隠せないようであった(そのときの表情はまさに「どん底」に突き落とされたかのような絶妙の描写であり、姉の明子の戸惑った泣き顔もなんともいえないくらい素晴らしいのだ)。

ん~、やはり、星一徹はすごい指導者だ。


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