2009年11月8日日曜日

決断を口にする(1804)



「けっ、やっぱ口だけの奴か」は、男にとって「ケツの青い奴だなあ」に匹敵する最大の侮辱である。

この意識はスポーツをやっている男は少なからず持っていることだろう。

自分の決断を口にせず、結果が出てから、それが成功したときには「そうだったんだぜ」と言い、だめだったときには「最初からそれが目標じゃあなかったのさ」と嘘ぶくことがもっとも男として情けないと思うのだが、あなたはどう思う?

決断することが難しいことは知っている。

しかし、もっと難しいのは決断を実行に移すことである。

これができてはじめて、強くなるための扉を叩いたことになる。

決断を実行に移すとき、やはり、そこには「戸惑い」も「恐怖」もある。

提案しよう、そういうときこそ、おもいきって自分の決断を口に出すのである。

これは目標を掲げるというのとは違う。

強いて言えば、自分に「渇を入れる」が最も近い表現だろう。

例えば、「もう二度とタバコは吸わない」でもいいだろうし、「毎日ランニングする」でもいいだろう。

強くなるために自分がしなくてはならないことが、いくつか頭に浮かんでくるに違いない。

それを実行しようとしている自分はそこにいる。

しかし、踏み出せないか、もしくは踏み出したとしても、すぐに戻ってきては自分の弱さを嘆くのが常だ。

そんなときこそ思い切ってその「決断を口に出す」ことだ。

弱い自分に渇を入れ、叱咤激励して、困難に立ち向かわせるもっともよい方法である。

なぜなら、それをやれないことを侮辱されることが人間にとって最もつらいからだ。

私もそうだった教員を辞めてアメリカに行こうと決断したのだが、子どもはまだ2歳だったし、英語の問題や収入の問題、将来の問題など、いくつも私の決断を鈍らせる問題は存在した。

そうすると、不安や恐怖に襲われてきて、寝付けない夜が続く。

「もう、止めてしまおうかな」と何度も思った。

そこで私は、自分の決断が鈍らないように「俺はアメリカに行くぞ!」、「アメリカでプロのテニストレーナーになる!」と会う人ごとに宣言し、もうどうにも後に引けないように自分自身を追い詰めたのである。

私を悩ませるどんな問題よりも、「けっ、やっぱ口だけの奴か」と侮辱されることがたまらなく嫌だったから、なんとか不安や恐怖に耐えていた。

そうすると、あるとき、開き直ったように「何とかなるだろう」と思えるようになるのだから不思議なものだ。

私は、あのとき「決断を口に出して」、本当に良かったと思っている。

じつはアメリカに永住するつもりだったので、志半ばでの帰国であるが、そのステージに上がって経験したことと、その決断を実行に移すことができたことが大きな自信と経験となった。

今のコーチという仕事にも活きているように思う。

これを読んでいる方の中にも、「あのとき決断していれば良かった」と思っている人も多いだろう。

そんな人は、スピリチャルな癒し本(最近流行らしい)を読んで、自分を慰めてみても無駄だ。

新たに何かを決断することがよい。

そして、その「決断を口に出し」、実行に移すように努力してみることだ。

そうすると、あら不思議、今までの自分とは違う見方でものごとを捉え、考えることができるようになる。自信も湧いてくるである。


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