2009年5月12日火曜日

体を冷やせ-1-(1624)




テニスの科学(62)

<やれば治る?>

練習中に足をくじくと、今なら「すぐに足を冷やして!」と指示されるところですが、私が現役の時代は、先輩から冷たく「やれば治る!」などと言われ、痛い足を引きずりながらも笑顔を絶やさず(これが大事)練習をしたものです。

最近は、コンディションをよりよく保つための知識や器具が開発・整備され、選手も安心して試合を行うことができるようになり、大変良い時代であると思います。

ところが、選手のケガは減ってきたのかというと、実際のところはそうではありません。

試合ならびに練習中にケガをする、もしくは何らかの痛みを訴えて試合や練習を中断するケースは年々多くなってきているのです。

これはどういうことなのでしょうか?

いろいろと考えることができます。

ひとつには、選手の体力的な問題です。

最近の子どもは体格的には大きくなってきましたが、体力的にはむしろ後退傾向にあることは毎年報告されています。

体力が低ければケガをしやすいのは当たり前です。

もうひとつの理由としては、選手が自分のケガに敏感になってきていると考えることができます。

以前は、冒頭にも述べたとおり、痛みを訴えることがタブーであるかのような風潮があり、また、痛みを軽減させるための知識や器具も不充分であったために、まさしく「やれば治る」方式がまかり通っていました。

そのために痛みを訴える選手が少なかったのです。

そう考えれば、痛みを訴える選手は、それほどひどい状態になる前に自分の身体の変調に気づいているわけで、一概に痛みを訴える選手が多いことは問題ではないのかもしれません。

さらにもうひとつ、たとえば捻挫をした時に行うアイシングなどの処置が正しい方法なのかということです。

アイシングは、正しい方法を知っていれば、ケガの程度は軽くて済むし、競技への復帰も早くなります。

また、コンディションを整える場合にも大変役立つ方法です。

試合期間が長く、1日に何試合も行なわなければならないテニスの場合には大変に重要な知識・技術です。

もちろんテーピングなどの知識や技術も必要ですが、ケガをしてもっとも早急に処置が必要なアイシングは、競技者のみならず、テニスコーチや一般愛好家にとっても最も重要な知識だと思います。

逆に、正しい知識を持たずに処置を行うことは、マイナスの効果もあることは知らなければなりません。

実際に、アイシングの処置が不適当で副次的に障害が起きるケースもよく目にしています。

そこで、今回はこの「アイシング」にスポットを当て、その正しい方法を紹介していくことにします。

また、ケガに対する処置だけではなく、アイシングを積極的に活用してコンディションを整える方法も考えてみましょう。


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