2009年5月28日木曜日

体を冷やせ-8-(1640)



テニスの科学(68)

<冷やしながら動かす?-クライオキネティックとは>

最近クライオキネティックというコンディショニングの方法が注目されています。

クライオキネティックとは、クライオ(冷却)、キネティック(運動)という意味であり、「冷やして動かす」ということです。

その目的は、稼動域を確保する、つまり靭帯や関節が動くようにし、それをサポートする筋肉の力を低下させないようにすることです。

「えっ!」と思われる方も多いのではないでしょうか。

普通、捻挫などをした場合には、動かさないように安静にしてアイシングを行うことが常識だからです。

私もその話を初めて聞いたときは、「えっ、なんで。」と思ったものです。

なぜ動かすのかというと、関節、靭帯、筋肉も含めて基本的には動かさないとよくならないからです。

単純に考えても、たとえばギブスなどで固定されてしまうと、筋肉は急速に衰えていくことは知られているし、関節の稼動域も含めて機能低下が進みます。

しかし、適度な運動を行えば、機能低下を防ぐことができるのです。

最近の研究で、ケガの程度が大きくない場合には適度なテンションとストレスをかけた方が修復が進むことがわかっています。

したがって、例えば足首の捻挫の場合、軽度のものならばすぐにクライオキネティックを実施した方が良いのです。

ただやみくもに動かしたのでは損傷の範囲を広げてしまいかねないので、適切な方法を知ることは大切です。

以下に、その手順と方法を示すので参考にしてください。

もちろん、クライオキネティックを行う前には、動かしてもよいケガかどうかの判断をします。

アイシングをした後でも、激しい痛みを伴う場合や正常な歩行が困難な場合には、アイシング後すぐに医師の診断を受けるほうが賢明です。

1.アイシングの準備
2.無痛感覚になるまでアイシング(通常は20分程度)
3.エクササイズ
 ・感覚が回復するまでの2~3分間行う
 ・負荷(運動の稼動域や強さ、スピードなど)を段階的に徐々に上げていく
 ・痛みが無いこと
4.アイシング(2回目以降は3~5分)
5.エクササイズ
6.4~5の繰り返し(エクササイズは5セット程度)
7.アイシング20分

クライオキネティックと同様の考え方として、冷やしてストレッチをするクライオストレッチという方法もあります。

アイシングによって筋の痙攣を抑制し、関節の稼動域を早期に回復させるとともに、筋疲労の回復にもつながる効果があります。

また、慢性的な痛みに対しては、練習の前にアイシングしてからてエクササイズをすることのほうが血液の流れや循環が促進されて、ウォームアップにおける筋温の上昇を後押ししてくれて効果が高いことも報告されています。


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