2009年8月28日金曜日

遠征に出る(1732)



現在のテニスを取り巻く環境では、なかなかこうしたサバイバル的な過酷な状況に身を置くことは難しいだろう。

また、学校を卒業してしまった人もいる。

では、一人で海外の試合やキャンプに遠征に出るのはどうだろうか。

異国の地に一人で足を踏み入れるのは、正直言って怖い。

少なくとも私はそうだった。

初めての外国で言葉が通じず、ハンバーガーばかり食べていたのを思い出す(日本のハンバーガーと味が変わらないことに妙に感心した覚えがある)。

遠征は一種の冒険である。

頼る者のいない中で、恐怖や不安と戦いながら、すべてのことを自分でするという経験は、感性を磨くまたとないチャンスなのだ。

岩月謙司(同)は、<冒険のような経験を通して智恵と勇気を獲得する>と言っている。

私もその通りだと思う。

もちろん、自律した意志と自立した精神(自立についてはいずれ述べる)がなければ何の効果も無いが、そんな奴は敢えてチャレンジしようとはしない。

海外が無理でも、国内の試合にチャレンジしたり、高名なコーチに教えを請うことも勇気がいるだろう。

大切なのは怖くても<冒険する勇気を持つ>ということである。

以前、紹介した元フェド杯監督の本井満氏は、過酷な南米への遠征を毎年のように行っている。

その遠征中の練習やトレーニング内容は相当ハードだし、選手に自立を促す大変きつい言葉を投げかける(この人は普段は温厚なのに、コートに入ると人が変わったように厳しくなる)。

なぜ、過酷な南米の遠征を好んで行うのかという質問には、「厳しいから」とあっさりと言う(本当、めちゃめちゃ厳しいっすよ)。

過酷な環境下において、厳しい長期の遠征を行うことで選手としての感性が大きく伸びると確信しているのだ。

その方法が正しいのかどうかを私には判断できないが、少なくとも苦しみを体験して、そこから何かをつかむとても良い機会になっていると思う。

冒険は可能性を開く大きなチャンスである。

ぜひトライしていただきたい。


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