2009年12月4日金曜日

修羅場をくぐる(1830)



こう考えると、やはり「経験」がもっとも大切である。

「修羅場をくぐる」とも言うが、理屈ではなく、そのような場面を何度も経験することだ。

苦しくて苦しくてどうしようもない状態を経験したものは、「先(勝つこと)を考えすぎる」ことは少ない。

「今、自分がすべきこと」に意識を向けられるようになってくる。

大きな経験をして成長した選手として、何年か前の全日本で準優勝に輝いた佐伯美穂選手のことが思い出される。

彼女は、一度は引退を決意しテニス界(選手としての)を去ったのだが、その後見事にカンバックを果たした。

じつは彼女とは17年ほど前に、アメリカのアカデミーで2ヶ月ほど一緒にいたことがある。

彼女はプロになったばかりであったが、足の故障のために、じっくりとキャンプで調整を行っていた。

ときどき調整やトレーニングを指導していたのだが、足の故障にもめげることなく、元気に練習に励んでいた姿が思い出される。

大変明るい性格で、学校にあるオブジェを使って(このアカデミーは、夏の間だけ大学の施設を使ってキャンプをする)いたずらを仕掛けられ、私はまんまとはめられたりした。

そんな彼女が突然の引退、そして復活。

なにがあったのかはよくわからないが、陽気で前向きな彼女をもってしてもテニスから離れたくなるような「もの」が「この世界」にはあるということだ。

でも、彼女のテニスを見ていると、以前に比べて迷いがないというか、確かなメンタルコントロールを身につけているようなたくましさを感じた。

テニスを辞めて、テニスの楽しさに気づく、そんな心境でテニスを「楽しんで」いるのかもしれない。


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