2009年6月16日火曜日

行動を変えて、こころを変える(1659)



テニスの科学(79)

私たちの姿勢や行動はこころの状態、感情を反映しています。

このことはこころの状態が変わることで姿勢や行動が変化することをあらわしていますが、逆に行動や姿勢を変えることでこころの状態が変化することも認められています。

ここで、ひとつ実験をしてみましょう。

はじめに頭の中に悲しいことを思い浮かべてください。

きっと頭を垂れて、視線はうつむき加減で、背中は丸くなって哀愁漂う感じが良く現れていることでしょう。

次に、楽しいことを思い浮かべてください。

明日デートでわくわくしている様子でも、ディズニーシーに出かけてミッキーと遊んでいるところでも構いません。

表情には笑みが浮かび、視線は前を向き、ぴんと姿勢良く立っていることでしょう。

このように、こころの有り様によって行動や姿勢、表情などは変化します。

では、うれしいとき、楽しいときの姿勢や表情を変えないで、悲しいことを思い浮かべてみてください。

反対に、悲しいときの姿勢や表情で楽しいことを思い浮かべても構いません。

どうでしょうか。

これはかなり難しいと思います。

もし簡単にできるのなら、あなたは詐欺師か役者の素質十分かもしれません。

このように、こころの状態と身体は密接に結びついているので、その人の姿勢や行動をみるとこころの状態を探ることができます。

スポーツの場面では、感情を乱されたり、悲しい思いや、くやしい思いをすることは頻繁にあります。

その時、身体的にはどのような変化が現れるでしょうか。

筋肉が硬直したり、逆に力が入らなかったり、姿勢が崩れていることも多いと思います。

歩き方も弱々しくなっているかもしれません。

これでは、自分の能力を最大限に発揮して戦うことは困難です。

しかし、自分のこころや感情が乱されたときに、先に挙げたような行動目標を決めて、きちんと実行できたらどうでしょうか。

おそらく、こころの状態の乱れは少なく、次のポイントに対する集中力を高めることができるはずです。

楽しいときの姿勢や表情を変えないで、悲しいことを思い浮かべることが難しいように、正しい行動をとることは、プレーのマイナスになるこころの状態を作り出しにくくするのです。

ただし、このような行動を実際の試合場面で行うことは、口で言うほど簡単ではありません。

何度も繰り返しトレーニングを行うことが大切です。


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